湿度変化はデリケートな弦楽器にも大敵です。弦楽器の保管には、温度20〜24度・湿度50%RH前後が最適とされています。室内の温度はエアコンや暖房で保つことができますが、湿度は違います。湿度が高い所での保管は、ニカワの剥がれ、カビの発生、変形、金属のサビetc. 様々なトラブルが生じます。逆に湿度が低い所での保管は、弦楽器本体の木材に過度な収縮ストレスを与え、反りやひび割れなどを起こす事もあります。このように、弦楽器は湿度が高い所に保管しても、湿度が低い所に保管してもトラブルが起きます。
また、湿度変化は楽器を奏でる音にも 大きな影響を与えます。例えば、演奏家が日本で製造された楽器を持って海外に行った際に、いつもの音色が出なかったという事も報じられています。一方、ヨーロッパで製造された弦楽器は、日本と湿度環境が異なる場所で製造されているため、日本の湿度環境がトラブルの一因になります。