201908|アドリブ月誌

TOYO LIVING
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  • 2018年8月
お寺の近くの日本庭園の池で灯篭流し。
小規模の灯篭流しは、風情があってとてもいいものでした。さて、精霊流しはいかに?
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灯篭流しと精霊流し                        19/8/19
 こんにちは、阿部秀之です。お盆休みはいかがだったでしょうか。台風と重なり帰省に影響があった方もいると思います。大変でしたね。それにしても連日の酷暑。これまで異常気象と言っていましたがもう10年間はこんな感じではないでしょうか。いま10歳の子供は生まれたときからずっとこうですから、何が異常なのかわからないかもしれませんね。もはや異常でなくて、これが普通の日本の夏の姿になったとも思えます。困ったものです。とはいえ、夜になって耳を澄ますと、虫の音が聞こえてくるようになりました。まだまだセミも元気いっぱいですが、秋は確実に近づいているということです。
実りの秋、アートの秋、行楽の秋が楽しみです。

 さて、お盆休みに灯篭流し(とうろうながし)を見学してきました。有名なものではなく、近所のお寺が檀家を招いて行う小規模なものです。私は檀家ではないのですが、ご自由に見学されてくださいとのことでした。小規模の灯篭流しは人も少なく風情があってとてもいいものでした。ずいぶんとたくさん写真を撮らせてもらいました。灯篭流しと聞いて私の年代だとすぐに思い出されるのは、歌手のさだまさしさんが『グレープ』というグループのときに歌って大ヒットした精霊流し(しょうろうながし)です。精霊流しはだいぶ前に長崎で見たことがあります。

 灯篭流しと精霊流しは言葉が似ていますし、どちらも意味合い的には同じで、あの世に帰る故人のために行われる送り火のことです。ところが、具体的な内容はまったく異なります。精霊流しは長崎、熊本、佐賀の限られた地域で行われています。そしてお祭りのように賑やかなのです。初盆を迎えた家族や親族は、精霊船(しょうろうぶね)と呼ばれる船を用意し、盆提灯や造花などで飾ります。これが、電飾がいっぱいで花電車のようです。正面には遺影が飾られます。この船で故人の霊を流し場と呼ばれるところまで運ぶのです。爆竹を鳴らしたり、鉦の音や掛け声が飛び交い華やかです。この光景を初めて見た人は、さだまさしさんの歌のしっとりとしたイメージと異なると驚きます。でも、精霊流しの歌詞にも「精霊流しが華やかに始まるのです」とあります。精霊船は、以前は川や海に流して燃やす習慣もあったようですが、長崎のように禁止になったところもあるようです。それぞれの地域の夏の風物詩はどれでも個性豊かでユニークですね。来年の夏はひさしぶりに精霊流しに行ってみたくなりました。

 それでは、また来月! 来月は涼しくなっているといいですね。

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